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殺虫剤を使わないでシロアリ退治はできる?

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2018.04.15

シロアリは住宅の天敵です。
家の中でシロアリを見つけたらすぐに退治しなければなりません。

しかし、薬剤を家の中でたくさん使ってシロアリ退治をすることには抵抗があります、特に小さな子どもやペットのいる家庭では殺虫剤の使用はできるだけ控えたいもの。
殺虫剤を使わず、シロアリの天敵を使ってシロアリ退治をすることはできないのでしょうか?

シロアリの天敵と、彼らを活用したシロアリ対策について考えてみましょう。

シロアリってどんな虫?

シロアリは木造住宅における最悪の害虫で、家の柱や壁などの木材を食い荒らし、知らないうちに住宅をボロボロにしてしまいます。

名前に「アリ」とついていますが、外で普通に見かける黒いアリとは別の種類の虫です。黒いアリはハチの仲間ですが、シロアリはゴキブリの中間です。ゴキブリの仲間というだけで鳥肌が立ちそうですが、住宅を食い荒らすシロアリの方がゴキブリよりよほど厄介な害虫です。

ただ、集団で救うと恐ろしいシロアリですが、単体ではあまり恐ろしい生き物ではありません。シロアリの皮膚は薄く、日光にあたると短時間の間に干からびてしまいます。
しかも、シロアリのうち繁殖力のある個体は一部だけで、それ以外のシロアリが巣の外で長生きすることはできません。シロアリ駆除の際に逃げ延びた数匹が他の家に入り込んだとしても、そこから再びコロニーを形成することはほとんどありません。

シロアリが家に入り込む可能性があるのは、繁殖を控えたオスとメスがパートナーと住処を求めて飛ぶ時です。4月から5月ごろになると、繁殖能力と羽根を備えたシロアリのオスとメスが一斉に飛び立ちます。ただ、シロアリの飛行能力があまり高くなく、どこに移動するかは風向き次第です。

また、人間にとっては恐ろしいシロアリですが、自然界では朽ちた倒木などを処理するという重要な役目を担っています。私たちが見かけるシロアリは家の中にいるものや結婚のために飛んでいるものがほとんどですが、人間の近くで暮らすシロアリよりも自然の中に生息しているシロアリの方がずっと多いです。

シロアリの天敵

シロアリは木造住宅の天敵ですが、肉食の虫や鳥等にとっては格好の餌です。シロアリを食べる生き物は数多く存在します。
シロアリの天敵のうち、身近にいるものをいくつか紹介しましょう。

クモ

クモには巣を作るタイプのものと、巣を作らずに徘徊して狩りをするタイプのものがいます。
クモというと巣を作って獲物を待ち構える虫というイメージを抱いている人も多いのですが、これは巣を作っているクモの方がよく見かけるだけで、実際には巣を作らず狩りをするタイプのクモの仲間の方がずっと多いです。

屋内での活躍が期待できるのも徘徊タイプのクモです。有名なのはハエトリグモやアシダカグモなどのクモです。
ハエトリグモはその名の通りハエなどを捕食するクモで、シロアリも食べます。ジャンプをするダイナミックで巧みな狩りを得意としています。日本にはこのハエトリグモの仲間が100種類上も生息しており、家の中にいるクモとしてはメジャーなクモです。
アシダカグモは比較的大型のクモで、ゴキブリなどの大きな虫も捕食します。
ハエトリグモやアシダカグモ以外のクモでも、徘徊して虫を狩るタイプのクモであれば、大抵シロアリの天敵になります。

こうしたクモは虫を食べるだけで人間に危害をくわえることはありません。巣を作って家の中を汚す心配もありません。
家の中で見つけても追い出したい退治したりせず、益虫としてそのまま放っておくという人も多いです。

巣を作って獲物を待ち構えるクモの場合、家の中での活躍はあまり期待できませんが、屋外では頼りになる存在です。クモの巣はパートナーを探して風に流されているシロアリを捕まえるのにはピッタリです。

カエル

虫を食べる生き物といえばカエルなどの両生類です。
カエルはその中でもペットして飼われることもある身近な存在です。

カエルはジャンプしたり舌を伸ばしたりして虫を捕まえます。特にシロアリはカエルの大好物で、ペットショップではカエルのための栄養食としてシロアリが販売されているほどです。

見た目や飼育のしやすさから人気のあるカエルですが、ペットにする場合には注意が必要です。
カエルの中には毒を持つ種類のものもいます。皮膚に触れただけでかぶれるほどの毒を持っているカエルもいます。野生のカエルには寄生虫がいることも多く、野生のカエルを素手で捕まえるのもよくありません。
カエルは見た目以上にデリケートな生き物で、人間が触れるとストレスやヒトの体温で弱ってしまうこともあります。うさぎやハムスターのように触れ合えるようなペットにはなりません。

アリ

普通の黒いアリもシロアリの天敵になります。

シロアリは木材を食べる草食の生き物ですが、黒いアリは他の虫を食べる肉食の生き物です。当然シロアリも餌になります。

先に述べたようにシロアリと黒いアリは全く別の生き物です。黒いアリは動きがすばやく、体の表面が硬いです。一方のシロアリはというと、動きが遅く、皮膚も非常に薄くて柔らかいです。シロアリに勝ち目はありません。

ツバメ

鳥もシロアリの天敵です。
野鳥の中で特に人間に近い場所で生活しているのがツバメです。

シロアリがパートナーを求めて一斉飛行する季節になると、ツバメなどの小鳥がシロアリを待ち構えていることもあります。
頼もしい味方ではありますが、家の中のシロアリ対策というよりも、外にいるシロアリの数を減らしてくれる存在です。

ただ、ツバメなどの野鳥を捕まえて飼育することは鳥獣保護法違反になります。家の軒先に自然に巣作りに来てくれるのを待つしかありません。

最近では家の構造の変化によって巣作りできる環境が減ったり、フンの被害などから追い出されてしまったりすることも多いです。しかしシロアリをはじめとした害虫を食べてくれるツバメは益鳥であり、昔からツバメが家に巣を作るのは縁起が良いことだといわれています。
巣の下にダンボールや傘などでフンよけを作れば、現代でもツバメと共存が可能です。ただし巣の中でノミが発生することもあるので、巣立ちの後は早めに巣を撤去した方が安全です。

シロアリには数多くの天敵がいるが・・・

肉食の虫や爬虫類、鳥であれば大抵の生き物がシロアリの天敵になり得ます。シロアリ自体は弱い生き物で防衛手段をほとんど持たないため、天敵に遭遇してしまったら一方的に食べられるだけです。

ただ、実際に天敵を活用して住宅に潜むシロアリ退治をさせるというのはあまり簡単なことではありません。

黒いアリはシロアリも食べますが、砂糖やお菓子など人間の食べ物にも手を出します。ツバメなどの野鳥が退治できるのは屋外のシロアリだけです。
カエルはペットとして飼うことができますが、壁や柱の中にいるシロアリを退治させるのは難しいです。

クモであれば放し飼いにして家の中のシロアリを退治してもらうことができますが、見た目の悪さが難点です。アシダカグモはゴキブリ対策にもなる力強い存在ですが、サイズもかなり大きいため一緒にクラスには勇気が必要です。

天敵の活用法

では、シロアリの天敵について知るのは無意味だったのかというと、そうとも限りません。

クモや小鳥などが生きていけるのは餌があるからです。シロアリの天敵となる生き物の様子をみることで、シロアリの発生に気がつくための手がかりになります。

例えば家の中で何度もハエトリグモをみるようであれば、ハエトリグモが生活していけるだけの餌が家の中にあるということになります。
「今日はやけに小鳥をよく見かけるな」という日は、シロアリが一斉飛行しているかもしれません。

シロアリの発生は早く気がつくということが非常に重要です。シロアリが少ない内に気がつけば住宅の被害も少なく、退治に使用する薬剤も少なくて済みます。

天敵だよりのシロアリ退治は難しい

シロアリを捕食する生き物は数多く存在しますが、飼ったりコントロールしたりするのが難しい生き物が多く、天敵にシロアリ退治を代わってもらうのはあまり現実的ではありません。

しかし、シロアリの天敵になるクモや鳥、カエルなどの行動はシロアリの発生に気がつくためのヒントになります。いち早くシロアリの発生に気がつくことができれば、少ない薬量でシロアリ退治が可能になります。

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